日本人男性のがんの1割は酒が原因 発症のメカニズムとは

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「体内でお酒を分解すると発がん物質である『アセトアルデヒド』が発生します。これを無毒化するには『2型アセトアルデヒド脱水素酵素』(ALDH2)が必要です。この脱水素酵素には分解力の強い正常型と弱い欠損型があり、それを決めるのは両親それぞれから受け継がれた2つの遺伝子です。日本人は2つの遺伝子のうち片方もしくは両方が欠損した人が多く、体内にアセトアルデヒドが長く滞留することが発がんに影響していると考えられているのです」

 アセトアルデヒドはDNAに直接結合し、変異誘発性のDNA付加体(DNA変異を引き起こし、がん化となる物質がDNAと結合したもの)を形成する。その結果、DNAを障害することは培養細胞を使った多くの実験で証明されている。

 しかもお酒を飲んだ人の体からはアセトアルデヒドDNA付加体が検出され、唾液中の細菌によってもアセトアルデヒドは産生されるため、口腔内のアセトアルデヒド濃度は血中よりも10~100倍高くなることもわかっている。

 ただし、実際に生体内でDNAが障害されるかどうか、わかっていなかった。

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