「オプジーボ」の効果があるのは2割 “夢の薬”の現実と課題

公開日: 更新日:

 近年の抗がん剤治療は、まず遺伝子検査などを行って、効果がある薬を選択して投与するのが一般的だ。

 免疫チェックポイント阻害薬も事前に遺伝子検査が行われているが、実際は使ってみなければ効くかどうかはわからないし、思わぬ副作用が出るかもしれない。過剰に期待するのは禁物だ。

 また、1瓶(100ミリグラム)の価格が17万4000円(11月~)とまだ高額なうえ、投与が始まったらやめ時がわからないという問題もある。

オプジーボ保険診療で投与できるのは、手術が困難、化学療法の後に悪化、進行性、再発といった条件の患者に限られ、“最後の切り札”に近い状態で使われます。そのため、薬の効果がほとんどなかったり、徐々に効果が弱くなった場合でも、患者も家族も『やめたくない』と希望するケースがほとんどです。医療者側もなかなか中止を決断できません。あまり効果がないのに超高額な医療費を費やすことになり、保険制度の破綻リスクが加速するのではないかという声も上がっています」

 本庶氏がノーベル賞に選ばれた直後から、医療機関には「自分もオプジーボを使いたい」というがん患者の問い合わせが殺到しているという。やみくもに飛び付く前に、オプジーボの現状をしっかり知っておきたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで