思春期の子供は診察料を惜しんで性病をいくつもためこむ
今ではインターネットで何でも簡単に調べられるので、子供でも自分の性器の症状で性感染症だと見当がつきます。どこに行けばコッソリ、匿名で受診できるかも調べられるでしょう。
しかし、20年前(1990年代後半)となると、今とは少し様子が違います。当時、ルーズソックスをはいた制服姿の女子高生で、診療所の待合室がいっぱいになったことがありました。当然、順番待ちをしている大人の患者さんたちはビックリです。高校生は性感染症にかかっても親には言えず、お金がないのでなかなか受診しません。それで困って最初は親友に相談するのでしょう。すると友達の間で200円、300円と治療費のカンパを募り、病気になった子の付き添いとして、みんなで診療所にやってくるのです。
当時の女子高生の患者さんには特徴がありました。1つの性感染症だけで受診するとお金がもったいないので、病気を3つくらいためる傾向があったのです。女性はおりものが増える程度で症状が乏しい「クラミジア」や「淋病」では、まだ受診しません。性器周辺にイボができる「尖圭(せんけい)コンジローマ」を合併すると、見た目が悪くなるので受診するのです。お子さんが思春期になれば、誰でも性感染症のリスクがあります。家庭内で子供が性感染症の相談ができる親子関係を築いておくことが大切です。