効果は0.1%…厚労省のデータで判明したゲノム医療の現実
手術が受けられず、抗がん剤も放射線も効かないがんでも、この検査によって効果的な薬が見つかり、完治に近い状態に改善したケースは確かにあります。でも、問題点も多いのです。
■重要なのはメタボ対策と検診受診
そのひとつが、保険適用の対象の狭さ。
手術、放射線、抗がん剤の標準治療が存在しない希少がんや原発不明がん、そして標準治療を終えて選択肢がなくなった方。2019年にがんと診断されるのは約102万人と予測されますが、対象者は約1万人ですから、せいぜい1%なのです。
検査を受けて遺伝子変異が見つかるのは、大体2人に1人ですが、遺伝子変異があっても、その変異に関係する薬剤が未開発のケースは珍しくなく、厚労省の調査の通り薬を使用できるのは、検査を受けた人のうち10%程度です。
そうすると、その年のがん患者全体では、0・1%にすぎません。1000人に1人です。
検査にかかる時間もネックでしょう。