新型コロナ対策「次亜塩素酸水」をどう使えばいい?<前編>
ただし、NITEの結果の有効塩素濃度とpHを満たしていたとしても、「何でも効果あり」とはいかないのが難しいところだ。
「次亜塩素酸水の主成分は不安定な次亜塩素酸で、製造方法や保管法によっては効果が期待できないものも少なくない。これまで行政主導の研究が行われてこなかったので、使用者や消費者が正しく判断できる統一した基準もない。コロナ禍で必要な知識を持っていない製造業者や販売者が一気に市場に参入し、問題ある告知内容や法令違反の告知が現在、多く見受けられる」
次亜塩素酸水のメーカー12社が会員となって立ち上げた「次亜塩素酸化学工業会」では、次亜塩素酸水の正しい使用の普及と推進を行うとともに、規格基準の設置、信頼できる商品を選択しやすくする認証マークづくり、行政と連携しての研究・情報開示などを行っていく予定。
しかし、その結果が出てくるのはもう少し先のこと。現段階で効果が期待できる次亜塩素酸水を選ぶには?
「まずチェックすべきは有効塩素濃度とpHです。NITEで結果が出ている35ppm以上、pH6・5以下、NITE以外の機関の研究結果からpH5以上を選ぶといいでしょう。ただし、製造日から日が経つにつれ有効成分の濃度は低下します。電解型で生成された液体は特に速く、私たちの研究では1日もすれば半分程度まで低下する。非電解型の方がそのスピードは遅く、製造技術によりますが、1年で30%落ちるものもあれば、3カ月で30~40%程度落ちるものもあります。いずれにしろ、液体で売られているものでは、非電解型をお勧めします」