開発が進むコロナ治療薬 「飲み薬」だからこそ期待が大きい

公開日: 更新日:

■日々の生活の不安を解消できる

 臨床試験の結果では、短期の検証で副作用も認められず、米国では年内にも緊急使用が承認される可能性が高まっている。そうなれば、新型コロナウイルスに対する初の経口治療薬となる。

「効果がきちんと認められることが大前提として、モルヌピラビルに期待がかかる大きなポイントは『飲み薬』だという点です。中等症から重症の患者に使われている抗ウイルス薬のレムデシビル、分子標的薬のバリシチニブ、ステロイド薬のデキサメタゾンは、すべて経口薬ですが、状態が悪化して入院が必要になってから使用されます。一方、酸素投与を必要としない軽症または中等症の治療で使われている『ロナプリーブ』と『ソトロビマブ』は、いずれも点滴で投与するタイプで、現時点では、基本的に医師によって投与してもらわなくてはなりません。そのため、デルタ株が猛威を振るっていた時期のように医療が逼迫している状況では、最大限の恩恵にはあずかれないといえます。しかし、重症化して入院が必要になる前に、自宅で薬を飲んで対処できるようになれば、医療逼迫の解消につながります。何より、これまでは対処法がなかったウイルスに対し、薬を飲めば改善が見込めるという選択肢ができることで、日々の生活の不安が解消される。通常の暮らしを取り戻すための大きな一歩になるといえるでしょう」(神崎氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”