室内清掃作業は“下働き”そのもの…「あなたが4カ月ぶりの応募者です」だって
ビジネスホテル編
「午後3時にホテル正面玄関の外でお待ちください。担当の者が迎えに行きます」
2023年8月のある日、派遣会社から面接のメッセージを受け取った。これまではラブホのバイト面接が多かったが、今回は大手鉄道会社系列のビジネスホテルだ。スーツにネクタイ姿で、指定された時間の10分前にホテルの前で待った。
後で知ったことだが、こうした室内清掃作業の面接では、応募者はホテル内部に立ち入ることが許されない。そこには“下働き”に課せられた身分制度のようなものがあるようだ。
ホテルの前で待つこと15分。約束の時間を過ぎているのに誰も迎えにこない。さては日にちを間違えたかなと思い、派遣会社の本部に電話をすると「あれ、まだ誰も行ってませんか。すぐに手配します」とのこと。待つこと5分。20代の与田氏(仮名)が小走りでやってきた。「裏の事務所にいらっしゃるものと勘違いしてました。よくある手違いです」としきりに頭を下げる。
与田氏は入社2年目。このホテルの清掃のリーダーだ。