第二の人生に選んだ「ラブホ清掃員」は体力勝負 厳しさに来なくなる人も…
ラブホ清掃編(1)
昨年の夏、少し焦った。私は1959年生まれ。5年前に定年退職し、65歳まで会社に雇用延長してもらっているが、よくよく考えたら間もなく65歳の誕生日を迎える。雇用延長の期限が切れると想定できる収入はわずかな年金しかない。そこで慌てて転職サイトに登録し、第二の人生の仕事を探すことにした。
とはいえ、この年で頭脳労働のデスクワークにありつけるはずもない。また、健康のために退職後は体を使う肉体労働を経験したいとも考えていた。思いついたのが清掃の仕事、ホテルの客室清掃のアルバイトだ。都内のホテルの客室清掃に応募した。
2023年6月某日、スーツにネクタイの姿で先方のホテルを訪ねると、伊佐山氏(仮名)という作業服姿の男性スタッフが対応してくれた。ここで私は自分が勘違いしていることに気づいた。
求人募集の文言に「レジャーホテルの清掃」とあったので、てっきりシティーホテルの清掃と思ったら、ラブホテルだったのだ。もちろん職業に貴賤はない。素直に面接に臨んだ。
高校、大学の学歴及びこれまでの職歴を記した履歴書を持参したのだが、さらに面接前に先方が用意した経歴書に記入させられる。月曜から日曜までそれぞれの曜日の何時から何時まで勤務できるのかと聞いてくる。