悪質な運転なのに危険運転致死傷罪にならない事態が多発…一般人の感覚との差は埋まるのか
例えば、飲酒運転の場合、呼気中のアルコール濃度が一定の基準を超えたら「危険運転」とみなす、また「高速度」については、法定速度の1.5倍や2倍を超えた場合に「高速度」とするという案も挙げられています。この基準が設けられれば、警察や裁判での判断がよりスムーズになり、悪質な運転者を確実に罰することが期待できます。
ただし、数値基準を導入することには課題もあるのです。飲酒や高速度による運転への影響は、運転手の個人差や道路状況によって異なります。それを一律の基準にすると、基準値をわずかに下回る場合には危険運転致死傷罪の適用ができなくなります。そのため、法務省では、数値基準を基本にしながらも、状況に応じて柔軟に判断する仕組みが必要だとしています。
今回の見直しは、被害者や遺族の声に応え、法律をより公平かつ分かりやすくするための重要な取り組み。しっかり見守りたいと思います。