著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

悪質な運転なのに危険運転致死傷罪にならない事態が多発…一般人の感覚との差は埋まるのか

公開日: 更新日:

 今年9月、埼玉県川口市で、18歳の少年が飲酒運転の末、一方通行の道路を時速100キロで逆走し死亡事故を起こしました。当初は危険運転致死の疑いで捜査されましたが、容疑がより軽い過失運転致死に変更され、多くの批判を呼びました。このように、悪質な運転手なのに、危険運転致死傷罪に問われないケースが少なくありません。

 その原因ですが、今の法律では、危険運転致死傷罪を適用するには、「アルコールにより正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」または「制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」と認められる必要があります。しかし、呼気中のアルコール濃度や自動車の速度についての数値的な基準は法律上明記されておらず基準が曖昧なため、検察官が起訴することをちゅうちょし、一般感覚的には「危険」ではあっても、危険運転致死傷罪にならないという事態が多く起きているのです。これにより、つらい思いをされている被害者遺族も多くいらっしゃいます。

 こうした被害者遺族の要望を受けて、法務省の検討委員会は、危険運転となる基準を明確にするための「数値基準」の導入を議論しています。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  2. 2

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  3. 3

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  4. 4

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  5. 5

    マイナ大混乱に自治体・医療機関から悲鳴続出! 殺到するカード更新、「資格情報のお知らせ」で誤解受診も

  1. 6

    『続・続・最後から二番目の恋』小泉今日子&中井貴一が羨ましい…“生存確認”できる異性の友達を求める女性心理

  2. 7

    埼玉・八潮市の道路陥没事故で3カ月以上も安否不明…被害男性はなぜ「実名報道」されなかった?

  3. 8

    「腕は落とさず、血圧落とす」建設業界で囁かれる…笑えない令和の“上下関係”

  4. 9

    話題の"ドバイ案件"元アテンダーが語る"採用1%"「気に入られたら帰国できない」パーティーの実態

  5. 10

    (1)静かに顕在化する「不登校離職」の現実…子どものケアと仕事の両立が困難に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  2. 2

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  3. 3

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  4. 4

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    だから高市早苗は嫌われる…石破自民に「減税しないのはアホ」と皮肉批判で“後ろから撃つ女”の本領発揮

  2. 7

    中居正広氏vsフジテレビは法廷闘争で当事者が対峙の可能性も…紀藤正樹弁護士に聞いた

  3. 8

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  4. 9

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  5. 10

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及