「しないとだめ?」冷凍庫のような結婚に終止符、45歳バツイチ男が不倫相手との再婚を躊躇するワケ【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
45歳、離婚→再婚とならないワケ
「冷酷と激情のあいだvol.227〜女性編〜」では、2年弱にわたる不倫関係の末に、相手の男性の離婚が成立し結婚を切望するものの、思うように進まない瑠奈さん(34歳・仮名)の苛立ちをお届けしました。
では恋人であるジュンジさん(45歳・仮名)は、今のふたりの関係についてどう考えているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「あー…。瑠奈との結婚ですか? うーん…、そうですねぇ…。しないといけないんですかねぇ…」
歯切れの悪い話し方で、暗い表情を見せるジュンジさん。
聞けば離婚が成立後に、ジュンジさん自身に大きな心境の変化があり、まだその本心を瑠奈さんに話せていないことに悩んでいます。
夫婦間は冷え切っていた
「すでに聞いているかもですけど、僕、彼女と不倫をしていました。それも2年くらい。結構長い期間を、瑠奈と過ごしてしまいました。
最初のうちは瑠奈に急激に惹かれていたんですけど、だんだん惰性になっていったというか…。
離婚については、瑠奈と約束しちゃったし、成立させなくてはという義務感が強かったですね。まぁぶっちゃけ前妻との関係は、不倫する前から絶望的に冷めていましたよ。
家庭内の空気はまるで冷凍庫。僕と前妻は、会話をしないどころか目も合わせない。連絡事項はLINEでしたし、寝室も食事も別々。子供もすっかり前妻の味方でしたね。
そんな生活がずっと続いていたので、離婚自体はそんなに大変じゃなかったです」
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2週間で離婚成立
ジュンジさんが離婚を切り出したときに、前妻は「あ、そう」とあっけないほどすぐに了承し、わずか2週間で離婚届を提出。これにはジュンジさん自身も、とても驚いたと言います。
「なんか…当時の妻にとって僕は、その程度の存在だったんだと痛感しちゃいましたね。
それで今はシングルになったわけですけど、これで瑠奈と結婚をするとまた妻帯者、既婚者に戻らなくちゃいけないじゃないですか。
彼女だって今は僕との結婚を望んでいるけれど、それはずっと不倫をして待っていたからで…。
実際に結婚をしたら前妻みたいに冷め切った関係になる可能性もありますよね?
せっかく再婚しても、うまくいかないかもしれない。それなら、最初から再婚しないほうがいいのかなって。
僕の中で『結婚ってなんだろう? 本当に必要なのか?』って疑問も強いんですよ」
結婚する意味って何?
シングルライフに戻った今、ジュンジさんは自分の生活に満足をしていて、誰にも邪魔されない自由な時間を満喫していると話します。
「シングルのメリットを捨ててまで、また結婚する意味ってあるのかな。なんか気持ちがノラないんですよ。ただね、ここまで待たせてしまったからには、僕が別れを告げて消えるわけにもいかない。
『離婚をして君と再婚をしたい』と言った責任は感じています。でもだからって、言われるがまま入籍をするのも、なんか違うような…。
まぁ要するに、瑠奈との結婚を想像しても、しっくりこない。もう少しシングル生活を満喫したい気持ちもあるけれど、それ以上に結婚をする意味がわからなくなっちゃって。
本気で申し訳ないとは思っていますよ、だけどこればっかりは理屈じゃないんですよ。あ、瑠奈以外に女性はいませんよ? そういう欲もぶっちゃけ、もうないんです」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)