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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

フォルクスワーゲンの逆襲その1…新型ティグアンがちとハイクオリティーすぎる

公開日: 更新日:

フォルクスワーゲン ティグアン(車両価格:¥4,871,000/税込み~)

 2014年頃まで国内人気No.1輸入車ブランドの常連だったドイツ フォルクスワーゲン(VW)。ド定番ゴルフを筆頭により小さなポロやSUVがよく売れていたが、その後ブランドではメルセデス・ベンツに抜かれ、単一車種名でもゴルフがBMWミニに抜かれ、普通の上質ブランドに。

 加えてここ数年はブランド全体の電動戦略に資金が取られ、一部クオリティーが落ちたとの説も。

 だが特に日本においてはEV販売が一段落した今、肝心のエンジン車が奮わないと話にならない。そこで2024〜25年とイッキにテコ入れ! 第一弾は国内NO1販売SUVのTクロスのマイチェンだが、実は本命はコチラかもだ。

 それが完全新作の3代目ティグアン。2007年国内に登場したミディアムサイズSUVで、日本ではサイズ的にTクロスの数こそ出るが、世界的にはコチラが筆頭人気ワーゲンSUV! デザインやクオリティー面でもこれくらいのクラスのが輸入車を買う甲斐も味わえるというもの。

 ステキなのはまずそのサイズ感。最近の輸入SUVは容赦なくサイズをデカくするが、新型ティグアンはガチでサイズ据え置き。

 全長はイマドキトヨタRAV4などより短い4545mmで、全幅1840mmも全高1650mmも2代目マイチェンモデルとほぼ同じ。国産SUVだとマツダCX-5ぐらいの手頃さだ。

押し出しが強まったスタイリング

 一方それとはウラハラに、押し出しが強まったのはスタイリングだ。かつてのスクエアな3段ストライプグリルとは異なり、全体に抑揚が増し、セクシー度アップ。リア後端のエグれの効いたシェープがカッコイイ。

 さらに凄いのは全体のハイテク化で、自慢のLEDマトリックスヘッドライトは進化型を中間グレード以上に標準装備。この“IQライトHD”はなんと片側1万9200個の高精度なマルチピクセルLEDを搭載。より細かく配光できるのはもちろん夜間は進行先のガイドもできるとか。

 インテリアもクオリティー高く、グレードにもよるがタッチのいいスエード調シートが選べ、メーター類もフルデジタルの「デジタルコクピットプロ」が標準。加えてセンターにはパソコン並みの15インチモニターを持つ「ディスカバープロマックス」を中間グレード以上に装備。

 この使い勝手がかなりイマドキのタブレット的。新たに空気圧式マッサージ機能も選べ、VWのデジタルエンタテイメント感はますます高まっている。

乗り心地とハンドリングのバランスが凄い!

 走りに関してもボディ骨格から進化型のMQBエボに刷新。高い剛性感はもちろん可変サスペンションも進化。乗り心地とハンドリングのバランスが凄い。

 かたやパワートレインはティグアン初となる48Vマイルドハイブリッド付きの1.5ℓガソリンターボと、日本で人気のある2.0ℓディーゼルを用意。

 相変わらずドイツらしくストリングハイブリッドなしだが、全体の総合力とクオリティーは上々。

 唯一時代的に残念なのは、とうとう487万円から始まるスタート価格だが、装備面を考えると納得。

 ちゃんとしたいいSUVが欲しい人にぜひ試して欲しいのだ。

【連載】クルマは乗らなきゃ語れない

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