著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(2)「非国民」

公開日: 更新日:
初の防諜週間で、国民の相互監視促す看板が並ぶ東京・銀座=昭和16年5月12日(C)共同通信社

「非国民」という語で、昭和10年代を見ていくと、さまざまな光景が浮かんでくる。昭和10年代は、近代日本の終末期にあたるということもできるのだが、それは昭和12(1937)年7月の盧溝橋事件を皮切りに始まった日中戦争が端緒になっていた。当時の軍事首脳部は、中国を侮り、いわばこの戦争…

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