コピーライターがやっている誰の心にも響く…“芯をとらえた”言語表現の仕方とは
「ドラえもん」を知らない人に一言でどう伝える?
メイメイ:そうです。その物事の核心部分とでもいいましょうか。表面的なところではなく、「核心を突いている」「的を射る」といった意味で使われます。
例えば、「ドラえもん」を知らない人に、チエさんなら一言でどうやって伝えますか? まずは、芯の部分となる要素を書き出してみましょう。
●ネコ型ロボット
●四次元ポケット
●相棒はのび太くん
●どら焼き大好き
●ネズミが苦手
●妹はドラミちゃん
●22世紀からやってきた
●青い
●最初は黄色だった
●短い手足
●しっぽが電源
●世代を超えて愛されている
●生みの親は藤子・F・不二雄
●ヒゲが6本
●赤い鼻
では、チエさん。ドラえもんを一言でどうぞ!
チエ:「22世紀からやってきた」「青色」の「猫型ロボット」、これでどう?
メイメイ:ブー!
チエ:えぇー!?
メイメイ:チエさんが一言で表したドラえもんは、表面的にはいいのですが、核心に触れられていない気がしました。これが芯食ってない状態ってやつですね!
チエ:どうして? いいじゃないの? 未来から来た存在で、外見の色のことも言っているし、イメージつくんじゃないの?
メイメイ:確かに、芯となりそうな候補の言葉が3つも入っていますよね。
そこはいいんですが、「ドラえもんの一番の魅力」ってどこでしょうか?
「どこでもドア」や「タケコプター」などワクワクするような「ひみつ道具」を四次元ポケットから取り出して、のび太くんや困っている人の問題を解決するところじゃないですか?
チエ:そっかー! ひみつ道具について触れてなかったか。
メイメイ:ドラえもんの「芯」とは、「未来からワクワクするひみつ道具を出してくること」なんじゃないですか。
チエ:じゃあ、こんな感じはどう?
未来からやってきた猫型ロボットで、四次元ポケットからひみつ道具を取り出して、のび太くんを助けている。
メイメイ:そうそう、そんな感じです!
どんなものでも、必ず芯になる部分があって、言語化が上手な人は芯を見抜いて言葉にする力が高いんです。「芯」とは、他のものに取って代わることができない重要な部分のこと。いくつもの要素がある中で、果たしてそのどれが、芯にあたるかを日頃から考えるようにするとよいでしょう。
未来からやってくる登場人物やロボットは他の作品でもありそうなモチーフですが、数えきれないほどの種類のひみつ道具で主人公を助けてくれるキャラクターはなかなかいませんよね。