夕月 清水淳子社長(1)東日本大震災で甚大被害を受けた「老舗かまぼこメーカー」復活の軌跡
■震災で約2カ月にわたって操業を停止
しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災で同市は震度6弱に見舞われ、強震と大津波によって水産加工業に大きな被害が出た。夕月も約2カ月にわたって操業を停止し、大きく売り上げを落とした。
それから12年。昨年4月の決算では売上高17億円を計上するまで回復。「今年4月は18億円を見込む」(清水社長)という。中小企業の淘汰が進む厳しい練り製品業界の中にあって数少ない好調企業なのである。
「かまぼこは、必須アミノ酸がバランス良く含まれていて良質なタンパク質の宝庫です。また、低脂質で消化しやすいため、お子さまやご年配の方まで幅広い年齢の方々に召し上がっていただけます。しかも弊社の商品は保存料・合成着色料が未使用。また卵、小麦、乳といった3大アレルゲンも使っておらず、安心・安全なんです」
海外でもヘルシーで食べやすいかまぼこは大人気。新型コロナ禍によってここ3年は低迷してはいるものの、今後、インバウンドが増えるとともに国内需要も伸びるとみられている。