自立の 川崎孝介代表(3)事業所の給料と障がい年金で15万円程度の収入を確保
知育おもちゃのサブスク事業で成長するベンチャー、「自立の」。代表の川崎孝介氏は2012年、中古建設車両の転売業を始めた。仕事の手伝いを中学校の同級生だった友人に頼んだのだが、その友人はパニック障害を患っていた。
「約束した時間に来てくれないこともあったりして、結局その友人と一緒に仕事をすることは諦めたのですが、この後友人はどうやって生きていくのだろうかと、心配になりました」
ちょうどその頃、ブラック企業が増えているという報道をよく見るようになった。過酷な労働によってメンタルを病んでしまう人が増えていることも知った。
「メンタルを病んで精神障害者となった人たちに働く場を用意することは、人助けになるしニーズもあるのではないかと考えました」と川崎氏。
こうして14年、川崎氏は「自立の」を設立。千葉県習志野市に就労継続支援A型の事業所を開いた。A型事業所は利用者と雇用契約を結ぶ。そのため最低賃金を上回る給料が支払われることが、その特徴だ。
メーカーなどから内職的な部品組み立てなどの仕事を請け負い、利用者に作業してもらう。