公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造
JR東海は3月19日、2025年度の重点施策を発表。併せて連結で7350億円(単体で6660億円、うちリニア中央新幹線は3500億円)の設備投資を行うとした。だが果たしてこれで株価は上向くのか。
ちょうど1年前の3月22日時点の株価は約4000円。これを頂点に右肩下がりで、現在は約3000円。年初は3000円を切っていた。JR東日本と西日本を見れば、両者共にここ1年、おおよそ2800円を中心とするレンジ相場で、東海だけが下落基調だ。
株価低迷の要因はリニア開業の遅れが大きい。当初27年予定だったが、「早くても34年以降か」と言われる。だが時代にそぐわない収益構造という問題の方が見逃せない。
「JR東海の収益構造を見ると、単体が約8割を占め、東日本の約7割、西日本の約6割に比べ、運輸事業に大きく依存、しかもそのうち9割を新幹線が占めています。つまりJR東海は新幹線の一本足打法で成り立っている会社で、ともすれば倒れやすい。特にまたコロナ禍のような感染症の危機などが訪れれば、ダメージの度合いが格段に大きい」(証券会社幹部)