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重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

パチンコの「平和」が世界最大級のゴルフ場会社に…課題は2025年問題と巨額投資の重荷

公開日: 更新日:

 ゴルフ業界は「2025年問題」と呼ばれる“崖”に直面している。団塊の世代が全て後期高齢者となり、自動車免許の返納も加速。「都心部から離れたゴルフ場を中心にプレーヤーが大幅に減少してしまう」(業界関係者)とされる問題だ。それを目前に控え、仕入れコストの削減やシステム共通化など規模の利益を引き出すことで難局を乗り切ろうというわけだ。

 ただ市場の評価は割れる。平和が背負い込む財務リスクが「あまりに巨大」(機関投資家筋)なためだ。平和の時価総額は足元で2330億円前後。今回の買収金額はその2倍を超える。

 キャッシュの創出力を示すともいわれるアコーディアのEBITDA(償却前営業利益)は24年3月期で約422億円となっている。買収金額はその12倍超にも相当する。言ってみれば投資を回収するまで12年以上の期間がかかることになり、一般的に「8~10倍が妥当とされる水準と照らし合わせても割高」(大手証券幹部)だ。アコーディアの今年3月末の純資産は1223億円。多額ののれん償却負担も重荷となりかねない。

 といって規制強化で縮小・後退が続くパチンコ機器にいまさら軸足を再シフトするのも愚策だ。「ひとまずフェアウエーだけは確保したい」というのが偽らざるところか。

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