不二家、コージーコーナーも苦戦…街からケーキ屋が減っているワケ
昭和の時代には「ケーキ屋ケンちゃん」などと親しまれた「街のケーキ屋」を最近、見かけなくなっている。日本最大規模の店舗データベースを誇るNTTタウンページによれば、ケーキ店(洋菓子店)の登録件数は2013年の約1万4000店から減少を続け、2021年に1万1000店を下回り以後も減少傾向が続く。
そもそも今の消費者にとって、洋菓子店はスイーツの主な購入先ではない。和菓子を含めたデザート類市場に占める「専門店・路面店」の割合は僅か6.4%。量販店(スーパー)が37.3%を占め、19.1%のコンビニ、17.0%の百貨店へと続く(2022年度・矢野経済研究所調べ)。
全日本菓子協会によると、2005年に4575億円だった洋生菓子の小売金額は13年以降、約4200億円へ推移し、コロナ禍の2020年は3740億円まで急減。2023年度は4247億円まで回復したものの、市場の縮小局面と競争が激化し、洋菓子店減少は否めない。
■コンビニスイーツの台頭
「2010年代から台頭したコンビニや量販店のスイーツが洋菓子専門店に影響を与えている」と話すのは都内葛飾区の洋菓子店主だ。