スバル&トヨタの新いいとこどりハイブリ搭載!新型フォレスターの質感と燃費が予想以上だった件
スバル フォレスター(車両価格:¥4,048,000/税込み~)
4月17日、ある意味グローバルスバルのド本命たる新作SUVが登場した。6代目新型フォレスターだ。いま日本と北米で一番売れてるスバル車である。
かつてフォレスターはステーションワゴンの延長線的ボディで、売れ行きは今ひとつだった。ところが3代目から他に負けない全高1.6m超えのボディを纏い、今回は新たな強力ウェポンを得て実力が倍増した。それこそが新型スバルハイブリッドたるS:HEVだ。
さらに言うと、自慢の先進安全アイサイトは3眼式に進化し、選べばハンズオフ運転も可能なアイサイトXが搭載できるようになり、最新の縦型11.6インチモニターも全車標準に。全域で進化している。
さて肝心のS:HEVだが、スバル独自の2.5ℓフラット4エンジンに、トヨタTHSⅡ方式の2モーターハイブリッドシステムを組み合わせたもので、ぶっちゃけ燃費とパワーのバランスが凄い。そしてアイデアこそはトヨタだが、ギアボックスに至るまで設計はすべてスバル独自で、製造も埼玉の北本工場だ。
一度見学に行ったが、その精度の高さと手加工ぶりはもの凄く、当分日本でしか作れないという。おそらくこれがフォレスターの売れ行きのカギとなる。
見た目は高級感と落ち着きが増した
具体的に新型フォレスターのキモは、走りはもちろん、エクステリアからインテリアにかけての全域質感アップ度にある。
ボディサイズは全長4655×全幅1830×全高1730mmで、長さと幅が15mmづつ延びただけで扱いやすさはほとんど変わらずだ。
骨格たるプラットフォームも旧型譲りのSGP(スバルグローバルプラットフォーム)で、デザイン的モチーフもスバル自慢のヘキサゴン(六角形)モチーフ。だが全然変わらないどころか、質感は全然違う。
見た目はかつてのコの字LEDヘッドライトを強調したものではなく、水平基調にヘキサゴングリルを大人っぽく立体化したもの。ちょっと北米で人気のトヨタ ランドクルーザーっぽくもあり、高級感と落ち着きが増した。
車内スペースも全長4.6m台とさほど長くない割に広く、身長175cmの男性が前後に余裕で座れる。ラゲッジ容量も500ℓ前後あり、スペース効率は高い。
インテリアの質感も今までのフォレスターとは違い、一番安い1.8ℓガソリンターボの「スポーツ」でもスエード生地を採用。最上級の「プレミアム」では本革シートにシートベンチレーションのオプションも選べ、高級感は今までになくいい。
走りだが、前述SGPに構造用接着材やフルインナーフレーム構造、2ピニオン式ステアリングを加えた結果、ボディ剛性感や操縦性が向上。遮音性の高いガラスを使ってることもあり、静粛性も上がった。かつてのフォレスターの扱いやすさ、しっかり感を持ったまま、より上質化しているのだ。
乗るならS:HEVを選びたい
肝心の新作ハイブリッド、2.5ℓS:HEVはユニット的には昨年登場したクロストレックS:HEVと同じだ。160psに209Nmのピークパワー&トルクを発揮する2.5ℓフラット4エンジンに、120ps弱に270Nmのモーターを組み合わせたもので、予想システムトルクは300Nm以上。それでいてS:HEVモデルの車重は1.7トン強なのでパワー的には十分。
そして一番意外なのがモード燃費で、S:HEV搭載のフォレスターは前述最上級「プレミアム」とアウトドアグレード「Xブレイク」の2種類だが、後者のWLTCモード燃費はなんと18.8km/ℓ。同じパワートレインを搭載したクロストレックS:HEVの18.9km/ℓと0.1km/ℓしか変わらない。車重もボディサイズもかなり違うのに、この低燃費っぷりは凄い。
担当エンジニア曰く、ボディサイズや重量的にフォレスターにハマったとのことだが、厳密にはフォレスターの方が重く、遅くなっているから燃費が変わらないのだろう。
要するにハイパワーな2.5ℓS:HEVはより小型なクロストレックでは持てあまし気味で、燃費向上に結びつけられなかった一方、フォレスターとはマッチングが良かったのだ。いずれにせよ新型フォレスターに乗るならS:HEVを選びたいところ。
残る最大の問題は価格高騰で、全域で性能と質感が上がった結果、新型フォレスターS:HEVは420万円を超えるレベルになってしまった。
ざっくり300万円台で買えていた旧型を考えると80万円近くアップしているが、実は11.6インチナビやETCが標準装備になっていることを考えるとそれほどでもない。この辺りは根本的に今の物価高騰に加え、性能アップが効いているがこの対策として、実はほぼ400万円台から買える「スポーツ」が用意されている。
次回以降はこのあたりを含め、新型フォレスター選びを乗り比べてみよう。