著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

昭和20年8月15日前後の混乱を探り続ける

公開日: 更新日:
ポツダム宣言を受諾し、戦争を終結させる旨の重大発表をする迫水久常内閣書記官長(右手前から2人目、1945=昭和20=年8月15日未明)/(C)共同通信社

 作家の半藤一利と私が、この「八月十五日反乱事件」は、巷間で語られているよりもはるかに規模の大きいクーデター計画ではなかったかと思った理由は幾つかある。陸軍省軍務局の政治将校が立案し、実際に近衛師団と東部軍の将校、兵士を動かしてポツダム宣言受諾派と天皇を切り離し、戦争継続内閣を樹…

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