著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

日露戦争後と太平洋戦争後の相違点

公開日: 更新日:
もらい子殺し事件のあった東京都新宿区の寿産院(1948=昭和23=年1月20日)/(C)共同通信社

 日露戦争後の社会事件、事象と太平洋戦争後の社会的混乱との間に共通することと相反することの両面が見られる。初めにそのことを語っておきたい。

 まず共通点というのは、すでに幾つかの事件、事象を紹介したように、人命を殺めることをなんとも思わない犯罪者の増加である。少年の臀部切り…

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