著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「きけわだつみのこえ」(10)「今、私は世界人類の気晴らしの一つとして死んでいく」

公開日: 更新日:
日本の特攻隊の体当たり攻撃で爆発する米護衛空母「セント・ロー」 (C)Science Photo Library/共同イメージズ 

 木村久夫が書き残した遺稿の内容を、まず紹介するが、その中には日本軍の本質がいくつも見えている。戦後社会で、「きけわだつみのこえ」がベストセラーになるゆえんは、この本質への共鳴があったとみることも可能であろう。私は、木村の妹夫妻に会って取材を進めた時に、そして木村自身の直筆の遺稿…

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