視線の先にファン…マー君「松井秀喜さんになりたい」の真意
対照的なのが松井だ。どんなにバカバカしい質問をされても、それをわかった上で対応する。松井と接した記者は、「大スターなのに懐が深い」と惚れ込む。「米国で最も厳しい」といわれるニューヨークメディアとも、良好な関係を築いてきた。
田中はこうも語った。
「根底として、メディアの方々と話しているのではなく、ファンに向けて話している。話さないとファンに失礼だと思っています」
田中はメジャーの投手として史上5番目となる7年総額161億円の大型契約を結んだ。ただでさえメディアは厳しいのに、結果を残せなければ容赦なく叩かれる。その覚悟もあるのだろう。
ヤンキース入りが決まった際の会見では、「ピンストライプのスーツはヤンキースを意識したのか」とか、「メジャーの初球は何を投げるのか」とか、「米国にこれだけは持っていくというものは」などと矢継ぎ早に飛んだ愚にもつかない質問に苦笑しつつも、しっかりと答えていた。
どちらが正しいかはともかく、田中は松井が歩んだ道をたどるつもりのようである。