珍プレー続出 「統一球問題」より深刻なプロ野球の「技術低下」
セ・パはここまで25~27試合を消化。失策数だけ見ても、すでに両リーグとも90を超えている。ボールが飛ぶ、飛ばないというより、技術低下の方がよほど問題だ。
■「速く投げる」「遠くに飛ばす」を優先
なぜ、プロ野球選手はこんなに下手になったのか。プロと大学で指導経験がある高橋善正氏(評論家)が言う。
「金属バットとスピードガンの影響が大きい。選手も指導者も子供の頃から技術の基本や基礎的な知識より、とにかく遠くへ飛ばす、速い球を投げることばかり重視する。打者は守備が下手でもガンガン打てばスゴイといわれる。金属バットは折れないので芯に当てる技術を磨かず、少々つまっても外野の頭を越えるためのパワーを求める。大学に入っていきなり木製バットで打つとヒットが出ない。投手もそう。子供の頃から130キロだ140キロだと球速にこだわり力いっぱい投げる。そんな投球では誰だって力む。力をコントロールできないから制球力だって身につかない。楽天の松井裕はその典型です」
打てばいい、速い球を投げればいい、で育った子供たちがやがてプロになる。結果、バントや守備練習をおろそかにする。四球を選ぶより、ボール球に手を出してでもヒットを打ちたがる。