広島カープだから打てた「プロ11年目の初本塁打」
水本勝己という人は一軍出場がないまま現役を引退。ブルペン捕手を15年務め、ブルペンコーチ補佐となり、三軍統括コーチを経て、今は二軍バッテリーコーチだ。畝龍実一軍投手コーチは昨年まで21年間、スコアラーだった。
グラゼニの登場人物で天城大器というブルペン捕手がいる。ケガもあり、若くして引退し、ブルペン捕手になった。将来の夢はコーチで、15年後に夢がかなって二軍のブルペン担当コーチになる。これは、ヤクルトで何十年もブルペン捕手をやっていた人がコーチになったのを見て、参考にさせてもらった。スタッフを長年やってコーチに“出世”できるのは、広島かヤクルトくらいだろう。
控え捕手で11年間もプレーしてきた白浜も、現役引退後にコーチやブルペン捕手として、少なくとも向こう10年間は広島にいるような気もする。
サラリーマン社会を見ても、華々しい活躍をする人がいれば、主戦から外れて地味なポジションに回される人もいる。前者は独立して会社を立ち上げるケースもあるだろう。ただ、それが“勝者”になるとは限らない。決して高望みをせずコツコツと働いた方が案外、20年後、30年後の収支を見たら、プラスになっていたりするかもしれない。