ファンサービスも逆効果に プロ野球の「時短」を阻む企業論理
「スピードアップしたくても、なかなかできない側面はあると思います」
元中日球団代表の井手峻氏は、NPBが積極的に進める試合時間の「スピードアップ対策」について、こんな意見を持つ。
熊崎コミッショナーは「ゲームオペレーション委員会」を立ち上げ、昨年の平均3時間17分から3時間以内に試合時間を短縮することを目標に掲げる。
20年東京五輪での野球、ソフトボールの復活に向け、テレビの放映権との兼ね合いもあって時間短縮は避けて通れない。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)のフラッカリ会長は五輪で実施する7回制の導入を「アイデアの一つ」と言う。
現状、プロ野球は「イニング間のインターバルを2分15秒以内」「投球間隔は15秒(無走者時)」などのルールを設定。野手間のボール回しを減らしたり、人工芝のグラウンドの整備回数を減らすなどの意見も出ている。
今季の平均試合時間は、6日時点で3時間7分(9回試合限定)。昨年から10分の短縮となっているが、シーズンが進んで気温が上がれば投手はバテ気味になる。試合時間が長くなることは避けられないだろう。前出の井手氏が言う。