ファンサービスも逆効果に プロ野球の「時短」を阻む企業論理

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「投球間隔は走者が出ると無制限なので限界がある。野球は『間』があるスポーツで日本は特にその傾向が強い。監督が選手の交代以外でグラウンドに出ないようにしたり、攻撃のサインを簡略化できれば時間は短くなる。もっといえばストライクゾーンを広げれば手っ取り早い。ただ、できれば現場に負担を強いることは避けたいところです」

■「エキサイトシート」でファウルが増える

 セ球団の主力投手は「選手会では『個々のプレー時間を短くするのは簡単ではない』という意見が出た。試合中のイベントの時間を削るなど、野球以外の部分で改善してくれたらありがたい」と言う。

「営業面でできることもある」と、某セ球団幹部がこう言った。

「今はファウルゾーンに特別席を設けるようになった。お客さんも選手と同じ目線で観戦できて大喜びだし、営業的にはドル箱です。例えば巨人の東京ドームの『エキサイトシート』はネット裏の指定席Sよりも高い8000円。それでも飛ぶように売れるらしい。かなりの貢献です。でも、その席があるためにファウルフライがスタンドに入るケースが格段に増えた。投手も野手も参ってるのが本音です。野手はボールに飛びつこうとして低い観客席に飛び込みケガするリスクもある。その席を取っ払えば、試合はもっと早く終わる。試合中に花火を打ち上げたり、チアガールを踊らせたり、そういう時間を減らすことも必要。もっとも、営業、イベント部門の人間は、放送権料が減り、チケットが売れない穴埋めのために奔走して編み出した策です。簡単に受け入れるはずがない」

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