世界5位錦織に“芝の壁” 勝率もクレー、ハードより振るわず
男子テニスのATP世界ランクが8日に発表され、全仏オープンでベスト8だった錦織圭(25)は前週と変わらず5位にとどまった。
錦織は今週のランキングでベスト4入りが濃厚といわれていたが、前週まで9位だったバブリンカ(30=スイス)が、全仏でジョコビッチ(28=セルビア)を破って初優勝。一気に2000ポイントを獲得して4位に急浮上したため、錦織の「昇格」が阻まれた。
今月29日から始まる次の4大大会の全英オープンまでに錦織はドイツ(ハレ)で行われるゲリー・ウエバー・オープン(15日開幕)に出場予定だ。同大会はATP500大会(優勝者に500ポイント)。昨年の同大会でベスト4だった錦織が優勝すれば4位浮上は可能とはいえ、同大会には前年覇者で世界ランク2位のフェデラー(33=スイス)や同6位のベルディハ(29=チェコ)も出場を予定しているため厳しい。となれば、全英は再びランク5位で出場。全仏と同様、準々決勝でランク上位選手と対戦する可能性が高まるのだ。
加えて、今週から全英終了までは、これまでの赤土(クレー)コートから芝(ローン)での試合が続く。芝コートは赤土やハード(セメント等)に比べ、球足が速いうえに、バウンドが低く不規則になりがち。高速サーブを持つビッグサーバーが得意とするコートのため、ラリーで相手を揺さぶるタイプの錦織にはプラスにはなりにくい。