マシソンから決勝打の阪神・狩野 “代打の神様”襲名なるか
プロ15年目の苦労人が仕事を果たした。
12日の巨人戦。八回1死満塁で、代打の狩野がマシソンの落ちる球に食らいついて中前にポテンヒット。これが決勝の適時打となり、お立ち台で「みんながつないだチャンス。どうにか打ててよかった」と笑顔を見せた。
狩野は09年には捕手として127試合に出場したが、阪神は同年オフにマリナーズの城島健司を獲得したことで野球人生が暗転した。10年はわずか32試合の出場にとどまり、10月に椎間板ヘルニアの手術。12年にこれが再発すると、同年オフに育成契約になった。
それでも腐らなかった。猛練習で13年7月に支配下に復帰。昨季は初めて一軍昇格した8月29日のヤクルト戦で2ランを含む3安打4打点の活躍を見せた。32歳ということもあり、昨季は戦力外候補に入っていたようだが、これでクビがつながったといわれている。オフは100万円増の年俸900万円で契約更改した。阪神OBが言う。
「12年に双子の女の子が生まれて5児のパパになった。もともと練習熱心だったけど、クビも覚悟して、もう後がないと思ったんでしょう。最近は打撃スタイルが変わってきて、臆することなく初球からでも積極的にボールに食らいついていくようになった。思い切りの良さは一軍選手を含めても指折りです」