日本は甘い? メジャーは「疑わしきは罰する」で賭博に厳格対応
メジャーリーグにはロクでもない選手がうようよいる。暴力やクスリで刑務所や更生施設とマウンドを行ったり来たりなんてのも珍しくない。
それでも野球賭博や八百長絡みの大事件となると、1919年のブラックソックス事件や、ピート・ローズが監督在任中に野球賭博をやって89年に永久追放されたことくらいだ。
「ときのコミッショナーが、反社会勢力との関わりを水際で厳しく取り締まってきたからです。疑わしきは罰するのが基本的なスタンス。疑われる可能性のあること自体を問題視してきました。第8代コミッショナーのフェイ・ビンセントはヤンキースのスタインブレナー・オーナーの事務所にマフィアが出入りしていただけで、オーナー職を2年間停止したくらいです」(アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏)
第5代コミッショナーのボーイ・キューンはウィリー・メイズとミッキー・マントルがカジノとアドバイザリー契約を結んだことを認めず、カジノを取るか野球界を取るかと迫り、球界から追放したほどだ。
「球団も選手会も代理人も、元FBI職員や弁護士を雇い、選手を反社会勢力から徹底的にガードしています。裏社会に関わる選手がひとりでも出れば、波及して大きな打撃を受けることが分かっているからです」(前出の鈴村氏)