権藤氏が巨人と阪神の新監督に「コーチの見極め方」を指南
コラム【権藤博の流儀】
誰でも最初はそう言うものだ。
阪神の金本知憲新監督(47)は矢野作戦兼バッテリーコーチを招聘する際、「意見を言わないコーチはダメ。間違ったらこうすべきじゃないか、こうしようと、オレにどんどんなんでも言ってくれ」と要望したという。
巨人の高橋由伸新監督(40)も、経験豊富な尾花投手コーチの一軍昇格が決まるや、「投手のことは分からないので、お願いします」と権限を委任する意向を示した。
新監督はとかく、自分の色を出したがる。あっちもこっちも気になり、なんにでも口を出さなければ気が済まない。現場のトップとして全責任を背負うことは、すべてを自分でやることだと気負い、勘違いする。新監督が陥りやすい失敗パターンだが、それを押しとどめるのがコーチの存在だ。
自らが選んだコーチを信頼し、任せるところは任せる。それが監督の度量であり、組織をスムーズに機能させることにつながる。金本監督も高橋監督も現役時代はともに外野手のスラッガー。攻撃に関しては一家言を持っていても、投手のことに関しては門外漢だ。両監督が矢野、尾花というその道のプロの意見を尊重するというのは、正しいことではある。