権藤博氏が星野氏に提言 「楽天再建には監督復帰するべき」
コラム【権藤博の流儀】
楽天の星野仙一シニアアドバイザー(68)が球団の取締役副会長に就任した。立花球団社長によれば、その役割はメジャーで流行中の、「プレジデント・オブ・ベースボール・オペレーション」だそうである。長ったらしいだけでピンとはこないが、要するに「編成統括責任者」。監督人事を含め、チームづくりの全ての権限を与えられるというから、実質的に「GM」を兼ねることになる。
現在、日本の12球団でGM制を導入しているのは阪神、巨人、中日、DeNA、日本ハムの5球団。だが、「マネーボール」で一世を風靡したアスレチックスのビリー・ビーンを筆頭としたメジャーのGMに比べると、日本の彼らは実際にどういう仕事をしていて、チームにどんな利益をもたらしているのか、成果が見えにくい。就任1年目の中日の落合GMがチーム年俸総額を8億円も削減したことが話題になった程度という印象だ。
まだ本当の意味でのGM制度が根付いていない日本では、なんだかんだといって監督の権限が強い。補強でもコーチ人事でも監督の希望が優先され、中には自ら選手交換トレードの話を先方に持ちかけ、まとめてくるケースもある。現場で監督が幅を利かせれば、カネを握っているのは球団社長でありオーナー。となると、日本におけるGMとはなんなのか。特に球界OBがその職に就いたとき、失礼ながら、どうしても名誉職というイメージが拭えなかった。