スポーツ中継解説の質低下に「研究不足」とファン苦言
■音を消してナイター中継を見るファンも
解説がつまらないといえば、プロ野球もヒドイ。例えば、昭和時代に活躍した大御所たちが語る現役時代のカビが生えたような自慢話など、何の役にも立たない。そもそも、「とにかく走れ、投げろ」で育った大昔の投手が、筋肉の種類やトレーニング法などを勉強している若手のフォームや数えきれないほどの変化球の特徴などを解説できるのか。
野村克也氏が80年代に発案した「ノムラスコープ」は、ストライクゾーンを9分割した図を使って、捕手ならではの配球やバッテリーの投球を予測したものだ。野球中継をファン目線で考えれば、テレビ局や解説者たちがやるべきこと、語るべきことはまだまだいくらでもある。
近年、北米4大プロスポーツのMLB(野球)、NBA(バスケ)、NFL(アメフト)、NHL(アイスホッケー)はスタッツ(選手のプレー内容に関する統計数値)が充実。データを無料公開したことで、観戦に利用できるアプリがいくつも開発された。
例えば、アメフトやバスケをテレビで観戦しながら、モバイルのアプリで試合中に更新される選手スタッツや分析情報を得たり、他のファンとコミュニケーションを取ることもできる。10年前とは、スポーツ中継を見るスタイルはガラリと変わった。