福士加代子「名古屋」強行出場で陸連への強烈“メッセージ”
マラソンは、各レースで条件(時季、コース形態、気象、ペースメーカーのレベル等)が異なる。今回、さいたま、大阪、名古屋の各選考レースを時計だけで比較することには無理がある。特に名古屋はアップダウンがほとんどなく、記録が出やすい。福士が大阪で出した時計を数秒上回る選手が複数出たところで、それが福士を落とす理由になるのか。
陸上ジャーナリストの菅原勲氏は、「福士は名古屋には出るべきではない」と言ってこう続ける。
「福士も永山監督も、『大阪の記録を抜くなら、抜いてみろ』と腹を括って、リオへの準備をするべきです。福士は男子の川内選手のように、毎月のようにマラソンを走っていない。五輪の選考レースというのは心身とも疲労が激しい。ここで無理をすれば、代表に選ばれても五輪本番までの調整にも影響します」
■文句なしの一発勝負
米国は不公平がないように、五輪の代表選びは一発勝負だ。日本は、前年の世界陸上以外に国内3レースが選考対象になっている。大会スポンサーや中継するテレビ局への配慮、陸連に入る放映権料などの問題もあり、選考レースを一本にできないからだ。