センバツ好投の明石商・吉高 巨人ドラ1“特A”候補に急浮上
「身長は170センチでも、馬力とスプリットのキレは出色です。ガッツがあるのもいい」
バックネット裏でお揃いのロングコートを着て1回戦を視察した巨人スカウトの一人がこう評価したのは、初出場で8強入りした(市立)明石商のエース右腕・吉高壮(3年)だ。
28日の龍谷大平安との準々決勝で、延長十二回の末にサヨナラ適時打を浴びて力尽きたものの、3試合で435球を投げ、この日は自己最速を更新する146キロをマーク。決め球のスプリットを織り交ぜ、2回戦では優勝候補筆頭、東邦の今大会注目右腕・藤嶋と投げ合い、完封勝利を飾った。この日も龍谷大平安の左腕・市岡と投手戦を演じ、「藤嶋くんのマウンドさばき、市岡くんの低めのコントロール。いいところを盗めたら」と汗を拭い、甲子園を去った。
前出の巨人スカウトは、初戦を終えた段階で「高校生ナンバーワンといわれる履正社の左腕・寺島は出ていないし、今大会は目玉が少ない大会。その中で明石商の投手は印象的だった。甲子園が終わった後のスカウト会議で急浮上するのではないか」と話していた。