一振りで試合を決める G阿部はチーム内“求心力”も再上昇

公開日: 更新日:

 息詰まる投手戦に風穴をあけたのは、やはりこの男だった。16日の中日戦の七回だ。二塁打で出塁した坂本を二塁に置いて、4番の阿部慎之助(38)が右前に先制の適時打。カウント3-2になるまで一度もスイングをせず、まさに一振りで試合を決めた。

「さすが、ですね。1球に勝負をかけたように見えた。そういう中で、きっちりと反応して前にはじき返すという技術。さすがだと思います」とは、試合後の高橋監督。それまで打線が中日先発の吉見にわずか3安打に抑えられていただけに、「さすが」と繰り返して主砲を称えた。

「なかなか打てる球が来なかったけど、最後にうまく反応できた」と、殊勲の一打を振り返った阿部に、チーム関係者が「改めて求心力が高まっています」とこう続ける。

「(坂本)勇人が名実ともにチームリーダーに成長する中で、慎之助はここ数年の不調もあって、正直、チーム内で煙たい存在になりつつあった。故障が増え、打撃に全盛期の迫力が失せてもなお体育会的な大ボス然として振る舞う慎之助から、距離を置く選手も実際にいた。しかし、『優勝するもしないも小林次第。自分の経験のすべてを教える』とオフの自主トレに正捕手候補の小林を同行し、マンツーマンで親身に指導。その小林がWBCで明らかな成長を見せたうえ、自身も本塁打と打点でリーグの2冠を走る活躍です。厳しい直言にも説得力が戻った」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  2. 7

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  3. 8

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

  4. 9

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  5. 10

    佐々木朗希よ…せめてあと1年、吉井監督の下で準備期間を過ごせなかったのか。メジャーはそんなに甘くない

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情