G守護神カミネロ 打たれても首脳陣“特別扱い”の台所事情
27日の広島戦で、巨人のアルキメデス・カミネロ(30)が1点リードの九回に登板。1イニングを無失点に抑え、19セーブ目を挙げた。巨人の来日1年目の新外国人では、1986年のサンチェ、96年のマリオに並ぶ球団最多セーブとなった。
前回の登板は散々だった。22日のDeNA戦の九回。3点リードから1点を失い、なおも1死満塁とピンチを広げたところでマシソンに交代していた。19日の中日戦でも3失点。この日の試合前までの防御率は2.97で、セ・リーグの抑え投手で一番悪かった。
それでも高橋由伸監督は「基本的にはこのまま」と配置転換を否定。揺るがぬ信頼を口にしているのだが、「来年以降のためですよ」と、さるチーム関係者が言う。
「この日も八回を3者連続三振に斬って取ったマシソンは絶対的な存在ながら、来年はメジャー復帰の可能性がささやかれている。そもそもカミネロはマシソンの後釜含みの獲得。今年は日本の野球に慣れること、もしマシソンが流出したら来年以降がストッパー本番だという考えなんです。昨年のセーブ王の沢村は、いまだ右肩の故障が癒えない。古巣横浜(DeNA)で抑え経験のある山口俊は泥酔暴行事件を起こして謹慎中。老川オーナーに苦言を呈されるなど、戦力としてアテにならない中、この助っ人だけは大事に扱わないといけないのです」
試合後、「シーズンは長い。いい時もあれば悪い時もあるのが野球」と切り替えの早さを強調したカミネロ。巨人は前日、“問題児”クルーズを金銭で楽天へ放出したが、高橋監督は自身の契約最終年となる来年以降のためにも、この助っ人を特別扱いしないといけないのである。