巨人も阪神も…早実清宮におもねるプロ球団の“大人の事情”
清宮人気は過去最高だとあおり、ドラフトで当たりクジを引く前から球団幹部がポスティングによるメジャー挑戦を検討してもよいと“秋波”を送る。清宮サイドに対し、プロ側は媚びへつらっているのだ。
■競合を減らす
そもそも、今から清宮はすごい、すごいと、1位指名を公表する必要があるのか。
プロ野球の球団経営に関する著書もあるスポーツライターの工藤健策氏はこう言った。
「例えば、人気球団の巨人や阪神に若手大砲は育っていない。特に早実のある東京がホームの巨人は、清宮君を1位で指名せざるを得ない。もしも1位でいかなければファンの反感を買いますよ。阪神にしても元甲子園のスター選手で高校通算111本塁打の長距離打者は魅力。清宮1位を認めているのはファンを意識してのこと。ソフトバンクの王会長にしてみれば、早実の後輩で同じ左の大砲ですから『欲しい』と言わない方がおかしいでしょう」
在京球団のさる編成担当者は「あえて1位指名を公表して、他球団に手の内を明かす必要はありませんけど、公表することによってひとつでも競合球団を減らそうという思惑はある」と話す。