著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

フェデラーとナダル “最高峰の2人”が日本で見られない訳

公開日: 更新日:

 大物選手の多くは、楽天オープンと同時期開催のチャイナオープンに参加する。2大会のグレードは同じ。賞金総額が楽天の156万3795ドルに対しチャイナは302万8080ドルと差があるが、それは表面上のことだ。

 09年の上海で、ナダルになぜ日本に来ないか尋ねたことがある。その答えは、いまも記録に残っている。

「You can ask the Tokyo tournament if they invite me, no?(東京の関係者に招待しているか聞いてみたら?)」

 招待していないのだ。

■“最高の観客”への甘えでは

 大会が2つあれば、選手に選択権が、大会には競争が生じる。ナダルがその翌年の楽天に来日したのは大会が招待、競争したからだ。代理人相手の招待交渉はナマぐさい話もあるだろうが、招待=競争しない理由もある。

 まず錦織圭効果。錦織さえいれば切符は即刻完売する。それ以前に大会の構えがある。楽天ジャパンオープンの主催は公益財団法人日本テニス協会で、選手招聘の責任者は協会理事。たとえば、主催者にはワイルドカード(推薦枠=楽天は3)があるのだが、楽天ではそこにデ杯など協会への貢献度が絡むから話がややこしい。大会が選手強化と連結し、「現在の観客」のためではなく「将来の日本のテニス」のためとなっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”