加地亮<3>「代表がまとまるには年齢や経験は関係ない」
ロシアW杯イヤーの2018年2月。元日本代表DF加地亮は、大阪府箕面市で経営する「CAZI CAFE」で第2の人生を力強く踏み出した。「朝9時には店に行き、帰るのは深夜0時ごろ。ランチの時間帯は皿洗いに奔走してます。サッカー選手よりも、はるかに労働時間が長いですよね」と笑う彼の元にはかつてのチームメートもしばしば訪れている。「CAZI CAFE」は、加地が西野朗監督率いるG大阪でプレーしていた11年7月にオープンした。この2月からはオーナーである妻・那智さんと揃って店で働くようになった。
「嫁がカフェをやりたいと言い出し、経営計画を練って資金調達。古民家を探してリフォームしつつ、家具や食器を揃えるといった作業を率先してやりました。彼女は滝川二高(兵庫)時代のサッカー部マネジャーなんですが、決断力や実践力も備わっている。カフェの仕事は天職ですね」と加地はしみじみと語る。
現在はランチとディナーの2部営業。加地夫妻にシェフ、アルバイト10人前後の態勢で店を切り盛りする。加地は掃除やテーブルセッティングから始め、小鉢の盛り付けも行う。ランチタイムはひたすら洗い物だ。