森岡隆三<1>「代表一丸で戦うには個々の“人間力”も大事」
ロシアW杯2カ月前のハリルホジッチ監督電撃解任に日本代表が揺れ動いている。16年前の2002年日韓W杯直前もトルシエ監督のメンバー発表会見不在、背番号10の中村俊輔(磐田MF)落選など混乱が少なからずあった。初戦ベルギー戦にキャプテンマークを巻いて先発しながら、負傷交代を強いられた森岡隆三(J3鳥取監督)もアクシデントに見舞われたひとり。「魔物がすむ」といわれる大舞台に挑む心構えを聞いた。
■「W杯は抹消したい記憶」
「日韓W杯は、僕にとって抹殺したい記憶でもあります」。開口一番、森岡は衝撃的な言葉を発した。2―1とリードしていたベルギー戦後半27分に相手と接触。左足裏がしびれてズキズキと痛み出し、足首から下の感覚がなくなるという苦い経験が蘇ったからだろう。
「状況は『これは何なんだ』という感じ。チームドクターはOKと言うけど、違和感が拭えない。プレーを続行しようとしたけど、チームに迷惑はかけられない。自らピッチに座り込みました」と神妙な面持ちで話した。