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宮崎紘一ゴルフジャーナリスト

正会員のみにQT資格 “鎖国政策”に突き進むLPGAの愚

公開日: 更新日:

 これでイ・ボミ(韓国)、キム・ハヌル(同)、イ・ミニョン(同)や、現在、米ツアーで活躍する畑岡奈紗が権利を行使した。ボミは昨年のCATレディスの優勝で、畑岡はミヤギテレビ杯と日本女子オープンの連続優勝でLPGAに入会申請書を提出して、テストを受けずに正会員になった。15、16年と2年連続賞金女王のボミも新制度でやっと正会員の資格を得たわけである。だからボミは今後シード落ちしても、QTを受けることができる。また17年以降に優勝した他の外国人選手も同様だ。

 だが、優勝せずにシード落ちした外国人選手らは今後はプロテストを受けて合格しなければ、QTを受けられなくなる。また、これから日本ツアーを目指そうとしていた外国人プロも、プロテストを受けて正会員、QTのコースを取る必要がある。これで多くの外国人選手は日本ツアーへの挑戦を見限りそうだ。12年のサントリーレディスでアマチュアながら16歳の史上最年少で優勝し、その後プロ転向、14年にメジャーのエビアン選手権に優勝したキム・ヒョージュ(韓国)は日本ツアー参戦を希望していたが、今回の新制度でそれを断念したひとりといわれている。日本の女子ツアーは圧倒的な強さの韓国人プロに刺激を受け、レベルを上げてきた。それを再び、強い外国人を締め出すような鎖国と取れる愚かな制度に踏み切る。これでは、世界に通用しない。ひ弱な日本人選手がふくれ上がるだけで、競争力は低下するだけだ。

 そんな愚かな制度を導入してファンが支持してくれると思ったら大間違いだ。

ゴルフジャーナリスト・宮崎紘一)

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