巨人由伸監督「辞任の全真相」 決定打は鹿取GMとの軋轢
外国人補強も「的外れ」だった。象徴的なのはゲレーロの獲得である。由伸監督は今季4番に定着させた岡本や吉川尚ら若手を我慢して起用する腹づもりだった。ゲレーロは中日時代の昨季、35発で本塁打王を獲得するパワーを備える一方、勝負弱く、弱点もあった。そういった欠点に加えて「扱いにくい性格」に関しても由伸監督の耳には入っていた。
フロントは「中日からゲレーロを獲得できたのは最大の成功」と得意満面だったが、獲得を聞いた由伸監督は「うーん」と押し黙ってしまったという。
由伸監督は渋々、ゲレーロを開幕4番に置いた。しかし、案の定、打率.245、15本塁打とからっきし。2カ月間も二軍生活が続いた。それだけではない。自身との面談を拒否されるなど不満分子となり、チームの和を乱した。だから言わんこっちゃない――。由伸監督はそう言いたかったに違いない。
スター選手として歩んできただけに、「批判」や「文句」が大嫌い。報道陣に「若手を育てれば記事で批判しない?」と確認することが何度もあった。負けが込んだ最近は、巨人ファンからのヤジや罵声も浴びた。精神的に参っていた。
「しばらく家族と静かに暮らしたい」
そんな希望があるそうだ。同オーナーは何らかのポストで球団に残すと明言しているが、これからは望み通り、静かな暮らしができそうだ。