巨人由伸監督「辞任の全真相」 決定打は鹿取GMとの軋轢
同オーナーは「監督一人のせいではない。われわれとしては戦力面で監督に対して十分なバックアップができていなかった」と説明した。確かにサポートすべきフロントは機能しなかった。
由伸監督が今年勝てなければ辞めるという意志を強くした背景には、それなりの理由もあった。致命的だったのは鹿取義隆GM(61)との軋轢である。
昨季までは貧打に悩まされた。今季はようやく改善の傾向がみられたものの、由伸監督は昨オフの段階で、チームの生命線である投手陣に不安を感じていたという。
特にリリーフ陣である。7年目を迎え勤続疲労が心配されるマシソン、昨季は右肩を痛めて登板ゼロの沢村……。開幕時の勝ちパターンの投手に未知数な部分が多く、1年間は持たないと踏んでいた。
「だからこそ由伸監督は昨オフ、『リリーフ投手を取ってください』とGMに頼み、救援投手の重要性や現メンバーの危険性を説明したそうです。でも、FA宣言した増井をオリックスとの争奪戦に敗れて取り損ねると、慌てた球団はFAで先発の野上を獲得した。懸念されたリリーフの補強は、メジャーを戦力外となっていた43歳の上原のみ。案の定、救援陣が崩壊して負けが込んだのに、フロントはトレードなどの手も打ってくれなかった。だから言ったのにと、由伸監督には内心忸怩たる思いがあったはずです」(球界関係者)