著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

多くの副業をこなすことも豪州では前向きに受け止められる

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「シンジは強い精神力とフィジカルを備え、技術も完璧。物おじすることなく、周りを動かしていた。カリスマ性は、ずぬけていました」とスティッカ氏は語る。

 2人の成功例が示している通り、多民族国家である「豪州で成功するカギは国際感覚」と大物代理人は強調する。

「メルボルンの場合はイタリア、イングランド、ギリシャ、クロアチアの大きなコミュニティーがある。日本人留学生も大勢いる。豪州で成功しようと思うなら、多様な文化や価値観を認められるオープンマインドが必要です。過去3カ国で生き抜き、英語も堪能なホンダなら間違いない。多くの副業をこなしている点も、この国では前向きに受け止められるはず。引退後にアルコールやギャンブルに走ってしまう選手とは、一線を画しているのはいいことですね」

 もっとも、本田がプレーするAリーグのレベルはそう高くない。かつて元イタリア代表FWのデルピエロも、この部分に悩まされたようだ。

「デルピエロも私が扱った選手。彼のプレーは12―14年の2シーズンとも素晴らしかった。でもチームの成績は1年目は7位、2年目も5位と優勝に手が届かず、いまひとつでした。周りの質が低ければ、どんなに非凡な選手でも好結果を残すのは難しい」とスティッカ氏は、本田の置かれた状況に思いを寄せる。

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