メジャー野球もチクリと イチロー引退会見で露呈した本音

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「日本に帰れ!」と言ったのはファンだけじゃなかった

 イチローは米国のファン気質に関して、「最初は厳しかった。日本に帰れって、しょっちゅう言われた。けど、結果を残した後の敬意、言葉でなく行動で示したときの敬意は迫力がある」と言った。

 しかし、マリナーズ入団当初、イチローに罵声を浴びせたのはファンに限らない。主力のひとりはイチローが動くたびにゾロゾロと追い掛ける日本の報道陣に辟易、イチローに「家に帰れ!」と声を荒らげた。

 実戦で軽打を繰り返すイチローが「いつでも引っ張ることはできる」とコメントしたことを知った某主力は「いつでも強打できる? ここはリトルリーグじゃない」と吐き捨てた。

 イチローは口に出さなかったものの、結果を出すことで“身内”の雑音も封じていた。

■マリナーズ 特別コンサルタント就任打診の狙い

 マリナーズのジェリー・ディポトGMは「何らかの役職で残ってもらう。帰ってから話し合う」と、イチローを今後も球団に残すつもりだと話した。

 球団は功労者であるイチローに「球団特別コンサルタント」などの肩書を用意して最大限の敬意を払っていると言いたいのだ。

 しかし、これは単なるポーズに過ぎない。マリナーズとしては、ユニホームを脱いだかつての安打製造機をいつまでも抱えているメリットはない。長らくチームの顔を務め、球団ビジネスにも貢献してきた功労者をむげにするわけにもいかず、年収500万円程度の閑職を与えるということだ。

 もっとも、イチロー自身、球団の思惑は百も承知しているだろうし、本気で特別コンサルタントをやるとは思えないが。

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