五輪1年延期も暗雲…全柔連クラスター、組織委は在宅勤務
全日本柔道連盟に4人目の感染者が出た。
同連盟が8日、東京都文京区の講道館で勤務する男性事務職員がPCR検査を受けた結果、陽性が確認されたと発表。同連盟では、4日に1人目の感染者が出てから発熱を訴える職員が十数人に上った。この日までに約半数が平熱に戻ったそうだが、8日時点でまだ5人前後がPCR検査を受診する予定になっており、クラスター(感染集団)が発生した可能性が大である。
この日は東京都だけで1日最多となる144人もの感染者が出た。現状を考えれば、安倍首相が3月14日の時点でなお、「感染拡大を乗り越え、オリンピックを無事、予定どおり開催したいと考えています」と言い、組織委やIOCとともに今年7月の東京五輪開催を強行しようとしていたのが、いかにムチャクチャだったかがよくわかる。
「いや、五輪関係者からは『1年延期でもまだ甘い。年内に感染問題が終息しなかったら、いよいよ中止が現実味を増す』という声も出ている。実際、組織委は8日から職員の在宅勤務を始めた。新たな日程に合わせた会場の確保など問題がヤマほどあるのに、テレワークで対応できるのか。選手の方も、この日から東京・北区のナショナルトレーニングセンターと国立スポーツ科学センターの利用が中止になり、寝泊まりしている選手は退去を求められている。来夏のことを考えられる状態にありません」(競技団体関係者)