スピード感なきプロ野球コロナ対策 12球団バラバラの元凶
「12球団の動きがバラバラで統一感に欠ける。例えば、12球団の全体練習解禁については、なし崩しでコトが進んだ。率先して全体練習を再開した球団がある一方、楽天は最後まで全体練習再開に慎重だった。複数球団の監督から選手の調整期間に公平性をもたせるため、『12球団統一の解禁日』を設けるべきとの声が出ていたが、複数の球団がこれに反対。練習再開は球団の判断に委ねられた」
練習試合期間中に巨人の坂本、大城がPCR検査の結果、コロナに感染したことが判明。その対応も、明確なルールに基づいたものではなかったという。
5月末に策定されたプロ野球の「ガイドライン」の叩き台では、コロナ感染者は入院後、陰性が判明してから14日間自宅待機する、とのルールが検討されていた。
しかしNPBは、坂本らが無症状感染者で、ガイドライン上は「症状を訴えてPCR検査を受けた場合」に適用されるとして、自宅待機としなかった。症状の有無にかかわらず感染者が出るという前提でルール作りを進めていないから、こうした事態を招くのだろう。有事においては、迅速な対応が求められるのは当然だが、球界はさまざまな点において取り決めが遅く、稚拙だ。