高校野球監督“王貞治2世”がBリーグ球団トップに転身のナゼ
高校野球の指導者が異例の転身である。
プロバスケットボールB2の群馬クレインサンダーズは1日、桐生高(群馬)など公立4校の野球部監督を務めた阿久沢毅氏(59)の球団社長就任を発表。来季、B1昇格を目指す群馬はバスケはもちろん、一般企業で経営に携わった経験すらない同氏を大抜擢した。
阿久沢氏は桐生高時代、高校球界屈指の長距離砲として知られ、1978年のセンバツでは早実高の王貞治以来の2試合連続本塁打を放った。「王2世」としてプロの注目を集めたが、地元の群馬大に進学し、卒業後は教職に就いた。高校時代に対戦し、後にプロ入りした同年代の選手の多くが今でも「プロに行かなかったのは不思議でならない」と口を揃えるほどの逸材だった。
チームフロント、新入団選手とともに都内で会見した阿久沢氏は「高校野球の監督をやっていた人間がスポーツビジネスの世界に飛び込んだという不安はあるが、いろんなスタッフに相談したりしている。解決しながら前に進めると思う」と話した。
就任あいさつのため、すでに県内各地に足を運んでいるそうで、「野球を通じて知り合った人、野球での私を知っている方がたくさんいた。多くの人が覚えてくれていて励みになった」(阿久沢社長)という。